「あの〜」
「はい?」
「占ってもらって、良いですか?」

グルメフォーチュン、凄腕占い師がいると聞いて僕は足を運んだ。
雰囲気の良い兄さんが、ターバン巻いて出迎えてくれた。

「明日、でかい仕事あって…。成功しますかね?
失敗すると、最悪死刑…(笑」
は、は、は、なんて笑ってみたけど、悲しい愛想笑いで返された。
「あ、そうですか。そうだな…死相はないな。
あ、でも毒には注意して下さい、悪い相出てますよ。」
占い師が、「早く帰れ」とでも言うようなニコリ笑みを向けた。
そして、「頑張って下さい」と言った。



「そう、"頑張って下さい"って、そう言いましたよね…?」
「うん、でもそれは君が敵とは思っていなかったときの僕の言葉だよ。」
サラリと屁理屈を下さった男は見覚えのある男。
あれ?先日の占い師では??
はは、そうです、仕事に出たら見事に邪魔されました。

「四天王ココが僕に何の用ですか、なんで頑張ってとか言っておきながら邪魔するんですか。 あーもう、もっと早く四天王の写真見とけば良かった。」
そういう僕の片手にある大きな食材の塊…先ほどある方の命令で確保した…あ、これかな、邪魔されてる理由。

「そう、君が手に持ってるものが問題。それは自然のものだ、人間が好き勝手していいものじゃない。」
き、綺麗ごとを!
「いや、マジこれ持って帰んないと死刑なんで…ってこれ言いましたよね?マジ勘弁。」
棒読みで頼んだけど通じなかった。


刹那        め         ま         い 。


次の瞬間、僕の意識は地面間近にあった。
「…あ?何、しやがっ、た?」
「ちょっと、神経毒をね。だから言ったじゃないか、毒に気をつけろって。」
「うっわ、そういうとこだけしっかりしやがって…」
ココが僕の腕から食材をするりと盗み出す。くそ、泥棒が…
「大丈夫、死相は見えないって言ったろう?死刑はないよ。」
「いや、絶対怒られる…むしろ死にたい…」



じゃあ死ねば
(ムリだよね、本当に死相みえないし)