気がつくと君は、僕の間の前に立っている。
そのとき君はいつも笑顔だから、僕は嬉しい。
ただ、夕日をバックに立たれるとちょっと眩しい。
「まーた怖がられたんだ、お前。」
「…うん、君は僕のこと、怖くないの…?」
「怖くないよ?お前みたいなチビなんか。でもオレは」
お前が 憎い。
嫌なことがあると、何故かいつも君が来る。
励ましに来てくれてるのかな、なんて、実は僕を笑いに来てるのは知ってる。
「君・・・怪我って痛い・・・?」
「当たり前でしょ。お前は怪我しないんだよね?良いよね、醜い化け物になる代わりに怪我しないなんて。」
醜い、化け物。
「・・・僕は、怪我してみたいって、思うけど・・・」
「嘘でしょ?実は怪我しないのを良いことに大人にまで手ぇ出してさ。汚いよね、そういう精神。」
汚い、精神。
悲しみと孤独に体中の血がざわつく。
この人が。
この人が優しければもっと良いのに。
「オレの母さんが、お前みたいな醜くて汚いやろーにヤられたのかと思うと、憎くてしかたないよ、ホント。」
はははと笑顔で僕の肩を叩く。
この人の台詞が。
この人の口が音にする言葉が別のことであればもっと良いのに。
「でも、オレはお前から逃げるなんて出来ないだろうなぁ。お前のこと、好きだから。」
どんなに罵られようと、そこに意図されない愛情を感じれればそれで
醜い汚い憎い 愛してた、
(本気で憎んでも本気で愛しい)