砂漠の我愛羅?誰だよそれ?
オレが知ってるのは…


「お前、マジ幼稚な…。またきたの?」
「うるさい。入れろ。」
そう、幼稚で愛なんて文字はどこにもない赤い髪の砂ガキ。
しかもここ最近、いつもオレのところにくる。

「あのね、お前中忍試験最中だろ?こんなとこで何する気…うひゃあっ」
部屋のドアを閉めてる最中に、うなじに噛み付かれる。
いつもこれ、必ずはじめはどこかに噛み付く。

「あっほっかっ!は、離しやがれこのやろー!」
「・・・・・。」
「うっあ…っばっやめろって…っ」
噛み付いたままオレを羽交い絞めにし、うなじを舐めたり甘噛みしたりとガキとは思えないことをする。
だがこれもいつものことで。
「お前ね、こんなことしたって…」
「オレは、お前と一つになるんだ…。」
「・・・いたい、首の後ろよりもお前がいたい。」
こいつはオレの家でオレにベタベタして勝手に帰る。
理由はまさに、"一つになりたい"だった。
別にセックスして、そういう意味で一つになるわけじゃない。
ただ、我愛羅が気のすむまでオレにくっついてオレに噛み付いたり舐めたり抱きついたりしてくるだけ。

「あのさ、ガキの夢を壊すようで悪ぃけど、人間っていう固体は合体して一つになんかならないからな。」
「オレは、化け物…人間じゃない。だからきっと…」
「"きっと"なんてねーから、いい加減に…」

突然我愛羅が行為をやめ、オレと向かい合わせになってオレの両腕をつかむ。
「…一人になりたくない。嫌なんだ、一人にしないで…。」
涙なんかみえなかったけど、声はかすかすに弱弱しくて。
「・・・。オレがいじめてるみたいじゃんか・・・・。わーったよ、良いよ、好きにして。
でも、こんなことしたって一つになんかなれねーよ?」
「良いんだ、わかってる…。」
「あ、わかってんの?!」
が傍にいるのを感じられるだけで、それだけで心臓のあたりが…すごく暖かいんだ…。」

やめろよ、ちょっと嬉しくなっちゃうだろ。
ガキもなかなか良いかもしれないと思ってしまい、オレは結局我愛羅と"ひとつ"になる。



(でも確実に二人の固体でない部分は一つになり得て)