「んー?今日は何の日か、わかってるのか?」
「わ、わかってなかったらこんなことになってないです…」

バカをやった。

もう、こんなイベント参加しない。絶対に。
そもそも、男のオレが参加してることがちょっと可笑しい!
あ、逆チョコ?そんなの、あげる奴結構いないと思うよ…かなり恥ずかしいし。

「あのね、バレンタインデーっていう、恋人達の日になにしちゃってくれてんの?」
「・・・だから、何もしてない・・・」
「したでしょ、チョコ作ったり他の男と歩いてたりその他もろもろ・・・」
静かな公園で争うので、静かな公園はもはや静かではなくなっていた。
「あ、あの、チョコは誰の為だかわかってます?!男の人って、ヤマト隊長でしょ!オレヤマト隊長の部下ですけどぉ!!」
どこまで理不尽なんだ、っていうか、ちょっと気づくつくよ・・・。
笑顔を引き攣らせてカカシを皮肉るが、カカシは動じない。

「チョコはオレのでしょ?」
わかってるなら酷いこと言うなよ!
「オレが言ってるのは、なんでチョコなんか作っちゃったの?ってこと!」
・・・は?もうやだこの人死ねばいいのに。

「そうですかわかりました、アンタはオレが嫌いなんですね、じゃあこれはヤマト隊長に…」
立ち上がってカカシに背を向けようとする。
が、上忍と中忍のオレだと何がなにやら。気がついたらチョコはカカシの手の中でぐちゃぐちゃだった。

「うわぁ、そーいうことするんですか!?ひっど、もう知りません!!」
踵を返して帰ろうとするとまた気づけばカカシに阻止される。
くそっ、権力ならぬ実力の乱用だろこれ!

「あのねぇ、オレが言ってるのはね!なんで男のがチョコを、作ったの?男のオレに!ってこと!!わかる?」
「・・・す、好きだから、でしょ・・・。」
自分で言ってて恥ずかしい通り越して天に召されたい気分だが、カカシが何やら真剣だ。
「・・・ま!お前バカだから気づかなかったろーけど、他の上忍が・・・お前が男に興味があるんだと思ってはりきっちゃってるわけよ。」
どーしてもっと隠れて作るとかもできないの、とあきれられる。いや、あきれたいのはこっちでけど・・・。
「・・・オレ、そんなに人気なんですか?っていうか、上忍皆ホモかよ、死ねばいいのに・・・。」
「ホモかどーかは知らないけどね、ともかく・・・が他の奴に狙われることになるなら、バレンタインなんて行事、スルーして欲しかったのよ・・・。」
第一、オレ甘いもの好きじゃないし…と爆弾発言まで残してカカシは、
「ま!オレへの愛は受け取るから今夜は睡眠とれないよ?」
と言いオレをカカシの家へと連行した。



今年の教訓。
「慣れないことはしない」
カカシの心臓にも、オレの腰にも悪いから・・・。


触らぬ神になんとやら。
(愛の行事は逆に迷惑)